・ がをられ
菜波がドルヲタっぷりを発揮しつつ新ヒロイン登場! いつものドタバタ!! と思ったら、あっという間に主人公が神めいた能力に開眼し、世界の真実が開示され、優しい世界を守るために主人公が消滅した。
なかなかのシリアスシフトだが、事前に「このアニメ、こういうアニメですよー」という種はしっかり撒いていたので、そこまで意外性はない。
つーか、そーたのフラグ能力とそれに対するタナトスが話の根底にあるので、まぁこういう展開になるよね、という。

話の落とし所も、フラグの見えない唯一の女たる菜波がガッツリ突破するルートが既に見えているので、結構安心感あるな。
自分はあのダダ甘やかしな世界が好きなので、きっちり波乱にケリを付けて、みんなで仲良しに戻って終わって欲しいもんです。
俺は結構ね、好きなんですよこのアニメ。

 

・ ハチャプリ
いおなちゃん補強週間の真ん中ということで、下がったところを補強したり、更に下げたり、モチベーションを色々操作する回でした。
完璧超人に思われてためぐみの「デキる子故にデキない子の事さっぱり判んない」加減と、ひめの生来のだめっこどうぶつ加減が共鳴し、なんかレズの修羅場みたいになってた。
「一緒にこしょこしょしてる!(隠語)」とか、「いえーヒメ見てるー?」な妄想シーンとか、汚れたオッサンの妄想をブーストするシーンが多かったですね。

作中でも言われてたとおり、結構リカバリーしてたとはいえ根っこがダメ人間なヒメ。
過去の過ちが債務超過気味に襲いかかってきて、ついついハッピーキャンディ(隠語)に逃げたり、ゆうゆうにフォローされた直後にバクステ擦ったり、久しぶりに「人間力3……ゴミめ」みたいな器の小ささが爆走。
設定が明かされてないんで断言は出来ませんが、昔の女封印して他人の庭に預けたブルーと、世界崩壊級のレリックをスナック感覚で放置してた王国の責任がでかいと思います。

日常シーンはぶっちゃけ低調な作画でしたが、カラテシーンはなかなか小気味良く動いており、構成もヴィヴィッドで良かった。
やっぱめぐみのバトルセンスはモノが違くて、「お前一人でいいんじゃないかな……」と思わざるをえない。
そう思わせないと、フォーチュンがコンビを組みたがる理由とか、ヒメの劣等生っぷりとか強調されないのであの子は戦闘民族でいいんだけど。
広範囲通常技から大規模変身技にシームレスに繋ぐ辺り、やっぱモノが違うよあの子。

ヒメの面倒くささが頂点に達している上、現状一切の言い訳ができないミスをやらかしている状況。
来週、少しは状況が好転するんでしょうか。
いおなちゃんはヒメ以外にはいい子なので(そこが良くない所でもあるんだけど)、ヒメが今までの蓄積を思い出してくれりゃ結構スカッとする展開になるんじゃなかろうかと思います。

 

・ 悪魔のリドル
ポンコツ共の個別会も終わり、ついにお話はクライマックス。
黒組のカラクリとハルの能力の説明、兎角さんの葛藤にラストマン・スタンディングと、クライマックスっぽい展開になってきた……はずなんだが、ところどころのポンコツ感と、どこに落ちんのかこの段階でも安心できない所が、悪魔のリドル。
ハルをぶった切った兎角が暗殺者として完成してシステムを破壊しても、黒組全員が復活してメカ理事長をぶっ倒しても、なんとなく「まぁリドルだし」で納得してしまいそうなのが怖え。

いや、おハルの能力を知って何も信じられなくなった兎角の表情とか、ベタで直球なタイトル回収とか、好きなところは凄く沢山あるんだよ。
悪ぶりつつも兎角好き過ぎるカイバ先生とか、いきなり綺麗になった理事長&鳰の胡散臭さとか、なかなか良い。
クライマックス直前の回としては、結構きれいな整理をしていると思う。

なのだが、例えばおハルを苦しめる組織の巨大さが、カメラが学園の外に出なかったせいでいまいち描写できてねぇとか、ハルが具体的に自力で困難を乗り越えすぎたせいで働き蜂設定がポンコツになってるとか、今までの展開に溢れるリドル粒子が素直に感心するのを阻害住んだよ!
お話として相当重要なパーツをぶっこ抜かれてなお、見続けてしまう魅力はキャラのパワーか、はたまた状況に対してしっかりとした欲求を持っていることは描写してきたせいか。
お話が此処に至ってみると、瑕疵の付き方まで含めて、色んな要素が奇跡的に入り混じってリドル的魅力を発揮してたなぁ、と。

兎角さんの急な長ドス・ファンティングスタイルに「キル・ビルでも見た?」と言いたくなったが、ハルを殺す意志を見せることで女王蜂の能力を否定する、という展開なんだと思う。
のだが、これが幻覚だったりただのトチ狂いだったりしても、一切おかしくないのがリドル。
最後までハラハラと楽しませてくれそうです、色んな意味で。

 


・ 神々の悪戯
個別回をなかなかいいラップで刻み、全員のキャラが立った所でオールキャラギャグ回。
シリアス多めでネタ欠乏症気味にさせたタイミングといい、このアニメの構成はやっぱ手馴れている。
今回の「全滅アバン→ドタバタ→全滅のネタばらし」という構成も、「一話アバンのゴッド・オブ・ウォー→ドタバタしつつ仲良くなる→宿命の戦いへ」つーシリーズ全体の構成の再演だしな。
話がクライマックスに入るこのタイミングで、説明的にならず視聴者におさらいさせるのは、なかなかの練達だと思います。

話のほうは今まで積み上げたキャラへの愛着や理解を、存分に振り回したいいコメディでした。
前半のギスギスを思えば、あの連中がキャッキャとアホやってるだけで面白い、と同時に和む。
こういう気持ちはバカだけやってると生まれないものなので、適度にシリアスも混ぜつつ見せる力があった中盤戦つー事なんでしょうなぁ。
今までキャラ立ちの甘かった”緑のパセリ”ことトールの見せ場も多く、過不足ないキャラ回だったと思います。
いやー贅沢。

楽しいだけじゃなく試される展開を用意するのも、キャラを活かす上では大事つーわけで、ヤンデレがぶっ倒れクライマックスの鐘が鳴った。
まぁアイツラ一応神いわゆるゴッドだしね、アバンのシーン回収するためにも、なんかラグナロクめいたイベントが起きないとね。
……バトルで〆る尺の都合上、恋愛の決着を今回「勝者なし」という形で付けておいたのかなぁ……侮れねぇなぁ神々の悪戯。

 

・ Selector
丁寧に丁寧にるぅ子最初で最後の願いを描写する前半と、イオナさん主催のウィクロストーナメント開始な後半。
このアニメの長所である緊張感の維持と増幅も非常に上手く行っていて、ラス前としてとても良い回でした。
……中学生女子が二次元存在になったり、苦しんで望みを見つけたり、友達と傷つけあったりする様を「良い」と言っていいかは判らんがしょーがねぇだろうが不謹慎だろうが面白いんだよこのアニメ!
不謹慎だから面白いのかもなぁ(突如としてエンタテインメントの真理に開眼)

るぅ子を追い込みまくる前半部分は、同時にSelectorルールのクソっぷりを説明する部分でもあって、あまりのメガリスクノーリターンっぷりに目眩がした。
「頑張ればなんだって叶う!」というのは夢のある言葉ですが、詐欺の総本山に言われるとむかっ腹が立つな。
二次元と三次元の狭間にいるあのアマを、全力でぶん殴るのが最終的な落とし所だと思う(思いたい)わけですが、来週最終回だと間に合わんか……結局分割二期なのかなぁ。

悪魔と契約してしまっても、世界とおばあちゃんと夢の果てにある届かない夏は優しい。
るぅ子は希望的観測だけで動くアマちゃんなのだが、そういう子が報われない創作物はあまりにもしんどく、報われてほしいとも思う。
ばとうー単細胞生物から、惻隠の情を解するまでに発達したタマもな!
この矛盾した心理をそのままドラマの動線の上に乗っけて、果たしてるぅ子の都合のいい総取り成るか! というサスペンスに変えているのは、やっぱこのアニメ巧いところだと思う。
でも、あの夢想の夏の書き方は余りにも切なくて、この話が冬から夏に移り変わるのは(少なくとも今期では)ないんだろうな、と思わされるネ。


亀を追いかけるアキレスのように、都合の良い望みに導かれてバトルアリーナに集う少女たち。
やっぱカードゲームアニメはトナメやんないとな! バトルはダイジェストだけどな!!
断片的に描かれる戦闘シーンが、非常に切れ味良さ気なので、普通のカードゲームアニメなSelectorを見てみたい気持ちもある。
ダイジェストゆえの気持ちよさ、というのもあるか。

二度目の一衣とのバトルは、るぅ子の言うように悲壮感が先に立ち、一回目との巧い対比になっている。
あんなに楽しかった友情も願いも破綻し、それでも一衣がウィクロスにしがみつく理由は一体何か。
あのクソ条件を知っている視聴者としては「いやマジ、ドロップできるならしなよこのクソゲー」と思うわけで、それと反対の行動を取るのなら「なんか理由があるんだろ?」と思うのも道理なわけで。
知りたくて仕方がないポイントをきっちり次回に持ち越しており、此処もナイスサスペンドだった。

さらっとイオナさんが帰還者であることが説明され、世界のろくでもなさとクライマックス感が加速する最終盤。
さて、運命と少女は何を選択するのか。
いやー、楽しみだなぁ良くねぇけど!

 

・ ピンポン
風間竜一心の旅路、ついに決着。
そんな感じのペコVSドラゴン回。
前半ダイナシにならない勢いでドラゴンの過去と現在を重苦しく描きまくるなぁ、と思っていたが、ペコが吹っ切れた時のカタルシスを上げるためのタメだったかと、その瞬間が来た時思った。
色々賛否はあるのだろうけども、僕はあの天井のない感じはすごく好きだ。

対比という意味では実は卓球シーンの作画がそうで、ムードとBGMがシリアスな前半はかなり抽象的な試合描写なのに対し、ハッピーな感じに演出される後半の試合描写は、凄く精密でリアルだ。
どっしりとセンターに構えるドラゴンに対し、左右に振られつつも圧倒的な反射で切り返すペコ。
全身全霊をかけて先鋭化させたスポーツが人間に要求し、まるで磨き上げた地金のように自然と顔を出す『スタイル』と言うものへの、確かな意思。

おそらくロトスコ混ぜつつ書いているのだろうが、「常時フルポテンシャルの最上級卓球選手の試合をアニメートさせると、だいたいこんな感じ」という作画ガチ勝負は、単純に見ていて気持ちよかった。
此処で試合描写も抽象的だと、印象が音楽に引っ張られてしまい、ドラゴンの開放とそれを可能にしたペコの才能に、視聴者が共感するどころの話ではなかった気がする。
あれだけのキチガイ作画を長時間続けても、音楽のパワーに引っ張られてしまいかねないところに、なかなかの難しさを感じる。
でも、僕個人の意見としては、今回のくっきりとした明暗はとても良いものだったと思う。


ドラゴンのキャラ描写はとにかく「飛ぶ」という単語を基軸に回っていて、恋人は一足先に自由になってロンドン行っちゃうし、お父さんは飛べないまま自分の元から去って行ってしまう。
ドラゴンが内心を吐露するシーンでも、一生終わることのない崖登りの辛さをしつこく描写したからこそ、羽根(≒天才)を持っているペコに引っ張りあげられた時の救いが生きてくる。
「飛べねぇ鳥もいる」と嘯いたアクマが、血を流すほどに憧れたドラゴンはしかし、アレだけの努力と苦痛と優しさを持ってなお「飛べ」ていない。
才能がない。
ココらへんの残酷さは、本当に徹底しているなと思う。

祖父の期待、父の自死(明言されてないけどうつ病を悪化させての投身自殺、でいいんだよね?)、そしてうどんのシーンで垣間見えたドラゴン自身の優しさ。
雁字搦めの檻から、風間竜一を出すことを諦めて百合枝は飛んでいってしまうわけだけど、それはペコとの試合を予期していたのか、それともドラゴンの重さに耐え切れなかったのか。
ここら辺は、イマイチ分からない。
自分勝手な子ではないと思うけども、結局ピンポンプレイヤーでも天才でもない自分では、風間竜一を「飛ばす」ことは出来ないと、聡明にも察してしまったのだろうか。
個人的な好みとしては、あの子こそ飛ぶことを知ったドラゴンのそばに居てあげてほしかったが、今の風間竜一は翼を持っているので、いつでも追いつけるんじゃないかな。

ドラゴンは、ペコによってしか救われなかったのだろうか。
アニメの追加要素により、この疑問はよりクリアーかつシビアに見えてきたと思う。
僕個人の答えは、結局ドラゴンは父親に教えてもらった卓球が好きで、しかし嫌いになりかけてしまっていて、卓球そのものの権化(この形容をペコが風間竜一にしているのは、皮肉であると同時になかなか面白い)たるペコと競うことでした、卓球が好きな自分を思い出せなかった、というものだ。
物語の基本類型は『行きて帰りし物語』であるというが、この話ではチャイナにしろアクマにしろスマイルにしろ、そしてペコにしろ、迷い道の果てに初期衝動に戻ってくる構造になっている。
風間竜一の救いは結局失われた父との日々の中にあり、それを追体験するためには、圧倒的な才能であるペコ、そして卓球という競技が必要だったということなのだろう。
こういう『競技』への真剣な視点は、このアニメ(と漫画)が持っているとても大事で誠実なパーツだ。

ドラゴンはヒーローとの試合を通して自分を取り戻し、翼を手に入れた。
行って、帰ってきたのだ。
まだ帰還していないのは一人だけであり、来週はその少年のお話を描写して、全ての少年たちが自由になるだろう。
来週でピンポンのアニメが終わる。
寂しくて、とても楽しみだ。